ヘアタトゥーはバレる?ヘアタトゥーをバレにくくするポイントをご紹介
アートメイク全般
アートメイク全般
最近、ネット通販などで販売されている「セルフアートメイク(※)キット」。
一見、安く簡単にアートメイクができる魅力的なアイテムに見えます。
そこで今回は、セルフアートメイクの危険性についてクレアージュ東京 エイジングケアクリニックのアートメイクスタッフに詳しく伺いました。
(※)セルフアートメイクとは
セルフアートメイクとは、自分自身でアートメイクを施すためのキットです。肌に色素を入れるためのマシンや針・色素など必要な道具がセットになっています。価格は安いもので5,000円程度、高いもので20,000円程度。現在、海外製品を中心に多くのキットがインターネット通販で出回っており、安価に手軽にアートメイクをしたいという方が購入されているようです。
―なぜセルフアートメイクは危険なのでしょうか?その理由を教えて下さい。
①セルフアートメイクは非常に難しいから
「大前提として、アートメイクを一般の方が自分で行うのは技術的に無理があると思います。
アートメイクはアイライナーでラインを引いたり、ペンシルでアイブロウを描いたりする感覚の延長線で行えるものではありません。
肌を染色する色素が深く入りすぎれば滲んでしまいますし、浅すぎれば色が入りません。また、施術中に自分の顔のバランスを客観的に見られないので、ベストデザインを作るのはとても難しいと思います。
加えて私たち専門家は、「この肌にこの色の色素を使えば、こういう色が出るだろう」と経験と知識から判断できますが、一般の方はそうではありません。入れてから「色が違う」というトラブルもあると思います。」
▲アートメイクは、肌に針を刺す深さを0.1ミリ単位で調整する必要があります。経験のない方がセルフですると、思ったような色味にならないケースも。
②失敗しても落ちないから
「アートメイクは簡単には落とせません。セルフアートメイクは安くて手軽と考えている方もいるかもしれませんが、もしも失敗してクリニックなどでの修正が必要になった場合、余計にお金がかかってしまいます。」
▲すっぴんになっても落ちないアートメイクは、失敗すると大きなリスクを背負うことに。余談ですが、セルフアートメイクでなく、他院で施術された患者様が「お直し」で当クリニックにいらっしゃるケースもあります。それほどに、アートメイクは繊細な仕上がりが求められるものなのです。
③失明や怪我のリスクがあるから
「特にアイラインの場合、失敗すると失明のリスクを伴います。器具の扱いは決して簡単ではないので、うっかり手がすべって眼球を傷つけてしまった……などという恐ろしい事態が起こらないとは言い切れません。
また、針を入れる適切な深さなども一般の方にはわからないと思います。深く針を入れすぎて血管に当たってしまえば内出血することもあります。そのほか、瘢痕、ケロイドのリスクも。金属が入っている色素もあるので、金属アレルギーが出る恐れも。
『きっと大丈夫だろう』『なんとかなるだろう』と軽い気持ちでやってしまうと、取り返しがつかない重大な事故や怪我をする危険性があります。」
④感染症のリスクがあるから
「もうひとつ懸念されるのは、感染症です。アートメイクは医療行為なので、清潔操作がとても重要です。クリニックでのアートメイクは、徹底的に衛生管理がなされた状況下で行います。しかしご自宅となるとそうはいきませんよね。
市販の消毒薬などで消毒したとしても、それで十分とは言い切れません。不衛生な環境で施術をすると、雑菌が入って化膿したり、炎症を起こしたり、感染症にかかったりする恐れがあります。
また施術後の衛生管理なども、感染症にならない為にとても大切です。」
▲自宅でできる消毒には限界があります。また、どういった場合に、どのような消毒を使用すべきか一般の方はわからない可能性が高いでしょう。
感染症についてはこちらでも詳しくご紹介しております。
アートメイクの感染症の心配は?安全に施術を受けるポイント
⑤悪質な染料が使われている可能性があるから
「セルフアートメイクに使う染料も問題です。特に海外製の商品などは、品質が不確かなものも多くあります。劣悪な染料だと、変色することも。このほか金属が含まれている染料を使うと、将来MRI検査ができなくなってしまう恐れもあります。」
「安くて手軽にできそうなアートメイクですが、非常に多くのリスクを伴います。
クリニックに来てほしいから、セルフアートメイクを『危険だ』と言っているわけではありません。美容サロン等の感覚・メイクの延長線感覚で行うと、取り返しがつかない事態になる恐れがあるからこそ、安易な気持ちでセルフアートメイクに手を出さないようにしてほしいと考えています。
アートメイクをしたい方は、まずは医療機関で説明を受けてみてください。カウンセリングだけでもOKなので、ぜひ担当の看護師に会って、お話をしてみてくださいね。」
編集:小嶋悠香