ヘアタトゥーはバレる?ヘアタトゥーをバレにくくするポイントをご紹介
アートメイク全般
アートメイク全般
皮膚に針を刺して色素を注入するアートメイクは、医療機関でしか取り扱うことのできない医療行為です。しかし、無資格でアートメイクの施術を行う違法サロンが多く存在しており、健康被害を受けている人がいらっしゃいます。では、実際にどのような被害が出ているのでしょうか。国民生活センターに寄せられた被害報告と、日本メディカルアートメイク協会が被害を減らすべく行っている活動についてご紹介します。
国民生活センターには、アートメイクによる被害の相談・報告が寄せられています。
まずは、その被害例をみていきましょう。
アートメイクは医療行為であることを知りつつ、病院・クリニックだと倍の費用がかかるので、友人の口コミで知った店で施術。
最初の施術では問題なかったが、2回目の施術後、施術した箇所が化膿してしまった。皮膚科で診てもらったところ、使用した針や色素に問題があった可能性があると言われた。
フリーペーパーに掲載されていたエステサロンでアイラインの施術を受けた。施術中、痛みを訴えたにも関わらずそのまま施術され、軟膏のようなものを塗られて終わった。視野が曇っていたが、軟膏のせいだと言われて帰宅。しかし痛みと涙が止まらずに救急で眼科へ。その結果、角膜が傷ついていることが判明した。
アートメイクをしているサロンで、眉とアイラインの施術を受けた。以前、眉の施術を受けたときは1週間ほどでかさぶたが取れてきれいになったが、今回は1週間経っても取れない。さらに、右目のアイラインだけが濃すぎて仕上がりがおかしい。
医療機関で受けるよりも安く済むという理由で、サロン経営をしている友人に眉毛のアートメイクの施術を依頼した。きちんと麻酔薬を眉に塗り、手彫りでアートメイクを入れてもらったが、施術後に眉が赤く腫れて痛みが出てきた。なかなか腫れが引かないため、気になって皮膚科を受診したところ、消毒が十分にできていない状態で施術をしたのが原因だと言われた。
知人に紹介された美容サロンでアイラインのアートメイクを受けた。施術中に涙が出るほど激しい痛みを感じ、施術後も腫れが1週間続いた。腫れが治まった後に仕上がりを確認すると、目尻側でアイラインが二股に分かれており、カウンセリング時に話し合って決めたデザインとは異なる仕上がりになっていた。結局、修正のためにレーザー治療を受けた。
刺青とアートメイクを行っているお店で眉とリップのアートメイク施術を受けた。施術に使うカラーは薄茶色で自然な仕上がりをイメージしていたが、実際には肌の色になじまない明るめのオレンジ色になった。
また、併せて施術したリップも、ベタ塗りしたようなピンク色を入れられて、違和感がある仕上がりになった。 ずっとこのままなのか不安になり、何年か経てば薄くなるのか施術者に確認したところ、アートメイク用の色素ではなく刺青用を使用したため、色は薄くならないと言われた。
サロンでアイラインにアートメイクを入れところ、施術後の痛みと腫れが酷く、治まるまで数日かかった。腫れがひいてからまぶたを確認してみると、あざができたような仕上がりになっていた。サロンに問い合わせて料金を返金してもらい、その際に5~6年すれば薄くなって消えると言われた。
医師免許を持たないサロンでアイラインの施術を受けた。ナチュラルな仕上がりが良いとカウンセリング時に伝えていたが、目尻のラインが不自然にハネて違和感がある仕上がりになった。 さらに、「レーザーでは消すことができない色素を使用したから、修正するには肌色を入れて消すしかない」と言われた。
肌色を入れてアートメイクを修正するのは不安だったので、結局ハネが消えるまで我慢することにした。返金について尋ねたが、目尻のハネ以外はきちんと色が入っているためできないと断られた。
いくら自分がキレイになるためとはいっても、「できるかぎり安いアートメイクを受けたい」と思ってしまいますよね。しかし、クリニックと比べて安価で施術を行っているサロンは無資格であることがほとんど。こちらの章では無資格のサロンで施術してはいけない主な理由を3つご紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
アートメイクは、「医師あるいは医師の指示を受けた看護師」しか施術することのできない医療行為です。皮膚に針を刺し色素を注入する危険な施術のため、知識と高い技術力、豊富な経験を求められます。それらを知っていながらも、医師免許を持たずにアートメイクの施術を行っている無資格サロンも多く存在しているのです。知識も技術も経験もないサロンを選べば、こちらがどれほど注意を払っていても失敗してしまう可能性は高くなります。
アートメイクの知識や高い技術力、豊富な経験を持っていることは大前提。しかし、360度どこから見ても違和感のない、お顔をより美しく見せてくれるアートメイクを施術するには、デザインセンスも必要です。つまり、「ただアートメイクを施術できる」だけではなく「患者様の顔をさらに美しく、自然に馴染むアートメイクを施術できる」ことが大切といえます。
そもそも無資格サロンは、アートメイクを施術する際に最低限必要な知識・技術・経験を持っていないのですから、患者様が納得できるアートメイクを施すことは難しいでしょう。
アートメイクを行う医療機関では、患者の肌に触れる器具をすべて使い捨て(ディスポーサブル)・衛生管理を徹底しています。これは、感染症などを予防するためです。しかし、ディスポーサブルを徹底していない無資格サロンは多数存在しており、そこで施術を受けた患者様には後日感染症を発症してしまう方もいらっしゃいます。
今回ご紹介した事例のほとんどは、「衛生管理がきちんとできていない」「技術が未熟」「医師免許を持っていない」ことが理由で、「長い期間痛みと腫れが続く」「違和感がある見た目にされた」などの問題を引き起こしているのです。また、事例2のように「角膜が傷ついた」という深刻な例もあります。
こうした被害のほとんどは、医療機関以外の無資格サロンによるもの。費用の安さや手軽さから無資格サロンを選んだ結果、病院での治療を余儀なくされるケースが後を絶ちません。
きれいな眉やアイラインを手に入れるどころか、受けた被害の治療のために、時間もお金もかけることになるなんて嫌ですよね。
アートメイクを施せば施術前の肌状態に完璧には戻りませんが、「薄くなっていく」ことを踏まえて施術を決める人も多いはず。しかし無資格サロンを選べば、鮮やかな色が半永久的に残る刺青を入れられてしまう危険性もあるのです。
ご自身の身を守るためにも、適切な医療機関での施術を選びましょう。
日本メディカルアートメイク協会とは、より安心・安全なアートメイクを目指し、医師や看護師といった医療従事者を中心として2011年に発足した協会です。
医療機関以外でのアートメイクの施術が横行し、はじめに紹介したようなトラブルが相次いだことを受け、これに歯止めをかけるべく活動しています。
厚生労働省・国民生活センターとの連携や、報道機関への取材協力による正しい情報の提供をはじめ、美容医療技術向上のための活動も多く行なっています。
なお、日本メディカルアートメイク協会の正会員は、アートメイクの施術を行なっている医療機関及び、医療機関に所属する医療従事者です。日本メディカルアートメイク協会の公式サイトでは、正会員である医療機関を確認することができますから、アートメイクを受けられる医療機関探しに利用することができますよ。
ここで紹介した以外のアートメイクによる危害例や、アートメイクに関するQ&Aといった情報も掲載されているので、一度目を通しておくといいかもしれません。
なお、当院は日本メディカルアートメイク協会の正会員です。
残念なことに、アートメイクによるトラブルは未だに報告されています。
摘発はされているものの、無資格サロンの数も少なくはありません。2014年には、前年度の3倍もの違法アートメイク施術者が検挙されたそうです。
こうした問題を解決すべく、厚生労働省はもちろん、日本メディカルアートメイク協会も活動を続けています。
ですが、アートメイクによる被害を受けるリスクを減らすために、施術を受ける患者さまご自身ができることもあります。
● アートメイクに関する正しい情報を調べる
● メリットだけでなくデメリットもよく理解する
● 無資格サロン・違法施術者による施術は受けない
たとえ、仲の良いご友人の紹介であったとしても、無資格サロン・違法施術者の施術は避けましょう。
これだけで、被害を受けるリスクはぐっと下がります。
前述の被害例でお伝えした通り、「費用が安いから」「気軽に予約ができるから」といった安易な気持ちが、取り返しのつかない事態を招くこともあるのです。
大切なご自身の身を守るためにも、どうか医療機関で正しい施術を受けてくださいね。