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女性の薄毛コラム
【クリニック監修】FAGA/FPHL(女性型脱毛症)の薄毛に有効なシャンプーは?
FAGA/FPHL(女性型脱毛症)による薄毛では、どんなシャンプーを選べばよいのでしょうか?FAGAの病態やシャンプーの機能を知れば、女性のFAGAの改善に効果的なシャンプー選びが理解できます。正しいシャンプー選びの知識と洗髪テクニックで、薄毛対策を!
クレアージュ東京 エイジングケアクリニック 院長
浜中 聡子
(はまなか さとこ)
経歴
Master of science (M.Sc.),
Preventive, Anti-Aging & Regenerative Medicine, Dresden International University (DIU)
国際アンチエイジング医学会(WOSAAM)専門医 Board Certified, Post-Univercity Education in Anti-Aging Medicine Specialization (AAMS)
米国抗加齢医学会(A4M)専門医 Board Certified, American Board of Anti-Aging Regenerative Medicine (ABAARM)
米国先端医療学会(ACAM)専門医 Board Certified, Chelation Therapy (CCT)
日本抗加齢医学会専門医
日本精神神経学会専門医・指導医
一般社団法人日本総合病院精神医学会認定 一般病院連携精神医学専門医・指導医
日本医師会認定産業医
NPO法人アンチエイジングネットワーク顧問
クレアージュの“クリニック処方”
ミノキシジル発毛剤治療
このような症状の方にオススメです。
- 最近髪のハリ・コシ・ボリュームが少なくなってきた。
- 市販の育毛剤・発毛剤で効果が出ない。
- 頭皮の地肌が目立ってきたような気がする。
外用薬(ミノキシジル・アルプロスタジル)
月額 16,500円(税込)
FAGA/FPHLで薄毛の女性はシャンプーの見直しも必要なの?
「“薄毛”は男性特有の悩み」…そんなふうに思っている人も少なくないかもしれませんが、じつは薄毛で悩んでいる女性は意外と多いのです。
クレアージュ東京の頭髪専門外来の治療者数は、40〜50歳代を中心に年々増え続けています。これも薄毛で悩む女性の多さを物語っているといえるでしょう。
女性の薄毛を考えるとき、重要なキーワードが「FAGA」です。
男性の薄毛を指す「AGA」に比べるとまだまだ認知度の低い言葉ですが、ここではFAGAについて解説します。
また、FAGAによる女性の薄毛ケアに有効なシャンプー選びや洗髪のテクニックについても解説します。
(参照|アンファー:女性のヘアロスが深刻化 頭髪専門クリニックの患者数は10倍 ロングヘアだったバブル世代の女性は今、スキンケアよりヘアケア)
FAGA/FPHLの女性の薄毛とシャンプー(1) FAGA/FPHLについて知ろう!
FAGA/FPHLの女性の薄毛ケアに有効なシャンプーについて知る前に、「FAGA/FPHL」についておさらいをしましょう。
「FAGA」とは、Female Androgenetic Alopeciaの略で、日本語では「女性の男性型脱毛症」や「女性男性型脱毛症」などと訳されます。
男性が発症する「AGA(Androgenetic Alopecia)」は、遺伝的要因と男性ホルモン(Androgenic Hormone)の影響で薄毛になります。FAGAも同様に、女性の卵巣や副腎でつくられる男性モルモンの作用で薄毛になるといわれていました。
しかし、日本皮膚科学会が作成した「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版」では
・女性の薄毛の現れかたが男性とは違う
・更年期以降に多発する
・男性ホルモンの影響だけでは病態を説明できない
以上のことなどから、FAGAに代わって「FPHL(Female Pattern Hair Loss)」という病名を使用することが多くなってきたと指摘されています。
しかし、FPHLという呼称は、一般社会ではFAGAよりもさらになじみが薄いようで、FPHLが市民権を得るには、まだ時間がかかりそうです。
(参照|日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版」)
なお、FAGAについては、当クレアージュ東京のサイトに詳しい記事があります。ぜひ、ご覧ください。
FAGA/FPHLの女性の薄毛とシャンプー(2) シャンプーの機能について知ろう!
さて、FAGA/FPHLのヘアケアをする場合、シャンプーについても考慮した方がよいのでしょうか?
答えは、「YES!」。
しかし、FAGA/FPHLによる女性の薄毛に、シャンプーがどんな効果をもたらすのでしょうか?
それを理解するには、シャンプーの機能(役割)を知る必要があります。
毛髪や頭皮の汚れの除去
シャンプーに求められる最も重要な機能の1つが、「汚れの除去」です。
シャンプーの「汚れの除去」機能については認識している人が多いと思います。しかし、ちょっとした勘違いをしている人も少なくないようです。
それは、「シャンプーが落とす汚れは、毛髪の汚れだけではない」ということに気づいていない人が多いことです。
シャンプーすることを「洗髪」
ともいいますが、実際には、“毛髪の汚れ”とともに“頭皮の汚れ”も除去しています。
FAGA/FPHLによる薄毛は、頭皮の汚れから発症するわけではありません。しかし、頭皮に皮脂やフケが溜まるなど頭皮の環境が悪化すると、FAGA/FPHLによる薄毛の進行が促進されたり、治療効果が現れにくくなることがあります。
つまり、シャンプーには毛髪の汚れだけではなく、頭皮の汚れも落とすことが求められているのです。
毛髪のコンディショニング
シャンプーに求められることには、洗髪後の洗い上がり感の向上もあります。
つまり、毛髪のツヤ、手触りやクシ通りの良さ、髪のまとまり感の向上など、「感覚的項目」の改善も期待されています。一般的には、“コンディショニング”と呼ばれている機能がそれにあたります。
頭皮環境の改善・育毛作用など
近年は、育毛作用や頭皮環境の改善効果に注目したシャンプーも開発されています。
たとえば、頭皮の保湿効果を高めるもの、頭皮の血行をよくするもの、フケやかゆみの抑制に効果があるもの、育毛成分を多く含んだものなど、さまざまなシャンプーがあります。
シャンプーを選ぶときには、こうしたシャンプーの機能をよく理解して、自分に合ったものを選びましょう。
自分の頭皮環境やFAGA/FPHLによる薄毛に良い影響を与えるものや、あまり良くない影響を与えるものもあるので注意が必要です。
FAGA/FPHLの女性の薄毛とシャンプー(3) FAGA/FPHLの女性のためのシャンプー選び
シャンプーにはさまざまな機能(役割)があることが分かりました。
では、FAGA/FPHLで薄毛になってしまった女性は、どんなシャンプーを選ぶとよいのでしょうか?
添加物フリーのシャンプー
一般的な女性用のシャンプーには、着色料や香料、合成保存料などの添加物が含まれています。健康な頭皮・毛髪の人の場合、このような添加物を気にしなくても問題ないかもしれません。
しかし、FAGA/FPHLの人の場合、頭皮や毛髪が敏感になっていることもあります。少しでも頭皮へのストレスを減らし、発毛・育毛の妨げにならないよう心がけたいものです。FAGA/FPHLの人は、「合成保存料無添加」「添加物フリー」などのシャンプーを選ぶとよいでしょう。
また、毛髪のツヤをよくするために、シリコンを配合したシャンプーもあります。人によっては、こういったシャンプーが合わず、頭皮環境を悪化させることもあります。FAGA/FPHLが気になる場合は、「ノンシリコン」「シリコン無添加」などのシャンプーを検討してもいいかもしれません。
優しい洗浄力のシャンプー
洗髪の頻度について調査したある研究(※1)では、「毎日洗髪する人」の割合は1984年で27.4%、1991年では45.3%でした。
しかし、最近行われた別の調査(※2)では、冬で62.9%、夏は76.4%の人が「毎日1回以上洗髪する」と回答しています。
このように、ひと昔前に比べると、日本人の洗髪頻度は多くなっています。
つまり、いまの日本人の毛髪や頭皮の汚れは、比較的少なくなっていると考えられるでしょう。
シャンプーを洗浄成分によって分類すると、「高級アルコール系」「石鹸系」「アミノ酸系」などに分けられます。
高級アルコール系シャンプー
は洗浄力が高いことが知られていますが、その反面、刺激も強くなります。
石鹸系のシャンプー
比較的刺激は少ないですが、洗浄力は強めです。
アミノ酸系シャンプー
適度な洗浄力があり、頭皮への刺激が少ないことが知られています。
シャンプーもそれぞれに特徴があります。現在のように洗髪頻度がある程度多くなると、毎日のシャンプーが頭皮に影響することもあります。デリケートになりがちなFAGA/FPHLの女性には、優しい洗浄力で低刺激の「アミノ酸系シャンプー」などもよいでしょう。
(参照)
※1|「シャンプー,リンス,せっけんの動向」南野博美ほか(1992)
※2|ネットリサーチ ティムスドライブ 「シャンプー・リンス」に関するアンケート
有効成分を配合したシャンプー
一般的なシャンプーは、「薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)」では「化粧品」に分類されます。
しかし、育毛作用やフケの防止効果などを有するものは「医薬部外品」になります。これはラベルに、“薬用シャンプー”などと表記されていることもあります。
こうした薬用シャンプーの多くは、育毛や頭皮の保湿に有効な天然成分や植物エキスなどを配合しています。
FAGA/FPHLの女性の薄毛とシャンプー(4) FAGA/FPHLに効果的な洗髪テクニック
よいシャンプーを選んだら、正しい洗髪方法も身につけましょう。
1.洗髪前にブラッシング
洗髪するとき、いきなり髪を洗うのではなく、まずはブラッシングで毛髪に付着しているホコリなどを取り除きます。
このときに、ヘアブラシの毛先で頭皮を直接刺激しないように気をつけましょう。
2.シャンプーの前にぬるま湯ですすぐ
洗髪前のブラッシングが終わったら、ぬるま湯で毛髪と頭皮をよくすすぎましょう。
シャンプーの前に汚れを落としておくことで、シャンプーの泡立ちもよくなります。
3.シャンプーは泡立ててから使う
シャンプー前のすすぎが終わったら、手のひらにシャンプーを取り、よく泡立てましょう。細かい泡が、毛穴の汚れなども落としてくれます。
頭皮を洗うときには爪を立てないように、指の腹でやさしく洗いましょう。
4.シャンプーは充分にすすぐ
シャンプーが終わったら、たっぷりのぬるま湯で充分に時間をかけてよくすすぎましょう。
毛髪についたシャンプーはもちろん、毛髪の根元や頭皮もよくすすいで、シャンプーの成分が残らないようにしましょう。
FAGA/FPHLが心配な女性はクリニックを受診しよう!
FAGA/FPHLの女性の薄毛対策に効果的なシャンプーについて解説してきました。
自分の体質やFAGA/FPHLの進行度に合ったシャンプーを選び、正しい洗髪法を身につけることで、薄毛の進行を抑制することが期待できます。
しかし、シャンプーだけでFAGA/FPHLの薄毛が治るわけではありません。
また、薄毛の原因がFAGA/FPHLであるのか、別の原因によるものなのか、原因の特定も必要です。
もしあなたが薄毛で悩んでいるのであれば、薄毛治療専門クリニックを受診してみてはいかがでしょうか。
クレアージュ東京には、女性頭髪専門外来があり、FAGA/FPHLをはじめ女性の頭髪に関する悩みの相談・治療を行っています。
治療への不安などがある場合は、無料カウンセリングもありますので、ぜひご相談ください。
また、ウェブサイトで簡単にできる「頭皮セルフチェック」もあります。薄毛が気になる女性は、来院前にセルフチェックで頭髪の健康状態を確認してみてはいかがでしょうか。
FAGA/FPHL(女性型脱毛症)以外の女性の薄毛・脱毛症については、当クレアージュ東京サイトの下記にも詳しい記事があります。あわせてご覧ください。
「頭部全体で髪の密度が減ってしまう「びまん性脱毛症 」とは?」
「大量のフケが出る粃糠性湿疹(脱毛症)の原因と対策」
「頭皮がベタ付く脂漏性皮膚炎(脱毛症)の原因と対策」
「産後の女性に特有の「分娩後脱毛症」って何?」
(まとめ)
FAGA/FPHL(女性型脱毛症)による薄毛に有効なシャンプー選びや、洗髪方法についてご理解いただけましたでしょうか。
気になるFAGA/FPHLには、頭皮への刺激が少なくやさしい洗浄力のシャンプーなど、ご自分の肌質に合ったものを選ぶようにしましょう。
また、シャンプーの前にブラッシングをして、ぬるま湯で毛髪や頭皮をすすいでから、シャンプーをよく泡立てて洗髪をしましょう。
そしてFAGA/FPHLによる薄毛が気になる場合は、薄毛治療専門クリニックを受診することをおすすめします。